読書

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佐々木幹郎『やわらかく、壊れる 都市の滅び方について』

 詩人の佐々木幹郎みきろうが、都市についてつづったエッセイ集。関西の出身だった著者が見た東京の下町、かつて中野にあった東洋一の刑務所とその解体の様子について、関東大震災と阪神淡路大震災、ネパールの山岳地帯への旅行、湾岸戦争後に訪れたイラン...
米文学

ポール・オースター『ムーン・パレス』 月と荒野とアメリカ 忘れがたい感傷を残す青春小説

 近況、ポール・オースターとの出会い   昨年2025年は就職して社会人になったことで生活が変化し、本を読む時間が減ってしまった。新刊などもまったく情報を追えていないので、好きだったミステリ分野さえ最近の動向が分からず、読書の界隈か...
米文学

リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』② ドリームコアへと続く”どこでもない場所”へのアメリカ的ノスタルジー

 前回の記事で、リチャード・ブローティガンの、西瓜糖でできた別世界のことを書いた詩的幻想小説『西瓜糖の日々』を紹介した。西瓜糖の世界は、我々の世界とは別の秩序で作られる風変りな世界だが、優しくてどこか懐かしい。その本質が、「過度な感じの欠...
米文学

リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』① 微妙な均衡で保たれた西瓜糖の残酷で優しい世界

●『西瓜糖の日々』の透明な世界  『西瓜糖すいかとうの日々』(藤本和子訳)は、アメリカの詩人・作家であるリチャード・ブローティガンが1964年に書き上げた、短く断片的な章からなる詩的幻想小説である。 西瓜糖(Watermelon s...
短歌・歌集

早坂類第一歌集『風の吹く日にベランダにいる』

 ●絶版になった第一歌集  先日、ずっと読みたかった早坂類の歌集『風の吹く日にベランダにいる』を、仕事の研修で訪れた大宮の図書館で読むことができた。 早坂類の短歌は、穂村弘による短歌の入門書(兼歌論)『短歌という爆弾』で紹介されて知...
SF

『武装島田倉庫』椎名誠  油泥まみれの終末世界で、したたかに生きる男たち

 椎名誠といえば、中学校の国語の教科書にのっている「アイスプラネット」などで有名な作家だ。個人的にも、椎名誠はこの中学校のときに読んだ話で初めて知ったので、それを真っ先に思い出してしまう。同時に、世界の辺境に旅をして写真を撮っている作家で...
ミステリー

『亜愛一郎の狼狽』泡坂妻夫

泡坂妻夫のデビュー作である、「DL2号機事件」をはじめとする、青年カメラマン亜愛一郎が活躍する八篇の短編が収められた連作短編集。<亜愛一郎シリーズ>三部作のうちの、第一短編集にあたる。 「DL2号機事件」は、一年前に地震...
ミステリー

小林泰三『安楽探偵』 少し変わった安楽椅子探偵ミステリ レビュー

小林泰三の推理小説『安楽探偵』の簡単な紹介と感想です。致命的なネタバレはありません。
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